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【田畑一也コラム】野村克也監督から事実上の最後通告「お前も横から投げてみい」(東スポWEB)

【田畑一也コラム】野村克也監督から事実上の最後通告「お前も横から投げてみい」5/30(火) 11:21配信7コメント7件96年に4完封を含むシーズン9勝とブレークした山崎【田畑一也 千載一遇~「野村再生工場の最高傑作」と呼ばれた男~(22)】人生七転び八起き――とは、よく言ったものです。プロ5年目の1996年、4月に幸先よくヤクルト移籍後初先発で初勝利を挙げながら自身3連敗の“一起き三転び”と結果を残せなかった僕は、4回4失点で3敗目を喫した5月1日の広島戦(呉)を最後に中継ぎへと配置転換になりました。

 5月6日の横浜戦(横浜)で救援勝利を挙げたとはいえ、4戦連続で中継ぎ起用。同19日の巨人戦(東京ドーム)で先発復帰を果たしたものの、ガルベスとの投げ合いで4回1失点ながら負け投手に。そこから2試合連続の阪神戦で粘りの投球をして、プロ初安打を記録した6月2日(千葉マリン)に3勝目を手にしましたが、ホッとしたのもつかの間でした。

 僕の野球人生を大きく左右しかねない試合となったのが、6月9日に岩手県営野球場で行われた広島戦です。機動力野球でかき回してくるカープ打線にはどうにも苦手意識があり、それまでの対戦でも3試合で計11回を投げて7失点、対戦防御率4・91。この日も立ち上がりに緒方孝市、正田耕三さんの1、2番を連続四球で歩かせるなど後手に回り、3回に捕まりました。一死走者なしから緒方、正田さんに連打され、野村謙二郎さんの適時打と江藤智の3ランを浴びて4失点。5回を投げ終えると笘篠賢治さんが代打に送られてお役御免となり、僕は5敗目を喫しました。

 これが“ただの1敗”で済まなかったのは、相手先発で4安打完封勝利を挙げた山崎健の球歴と関係していました。彼はもともとオーバースローで、巨人の斎藤雅樹さんを思わせるサイドスローに転向したのは未勝利で迎えたプロ5年目の95年夏だそうです。これがハマって96年に4完封を含むシーズン9勝とブレークしたのですが、この成功例を目の当たりにした野村克也監督から3日後に衝撃的なことを告げられました。

 あれは忘れもしないナゴヤ球場での中日戦の試合前です。ベンチでバナナを食べていると野村監督が近づいてきて、こう言いました。

「最近、結果が出とらんな。お前はファームの4番(河野亮)とトレードしたピッチャーだから、誰も期待しとらんのや。広島の山崎は横手投げにして成功しとる。お前も横から投げてみい」

 斎藤さんや山崎のように、サイドスローに転向して成功した例はあります。ただ、それはもともと腰や体の回転が横手投げに向いていたケースに限ります。実績のない投手に勧められる横手投げや下手投げへの転向は事実上の最後通告のようなもの。移籍後初勝利をマークした4月13日の中日戦(ナゴヤ)からわずか2か月で、僕は窮地に立たされたのです。田畑一也【関連記事】【田畑一也コラム】移籍後初先発が降雨中止に…野村監督は僕の両親に詫びを入れてくれた【田畑一也コラム】称賛継続のまま開幕2戦目登板 降板後の古田さんのゲキに感動【田畑一也コラム】野村監督の「ええコントロールしとるなあ」に2つの意味で驚いた【田畑一也コラム】新天地のヤクルトで2学年下の投手から「よろしくな」とため口をきかれたワケ【田畑一也コラム】「先発一本」の思い伝えた直後、トレードでヤクルトに最終更新:5/30(火) 11:21東スポWEB
Source: 東京ヤクルトスワローズ by yahoo News

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